花の百名山 (文春文庫 (313‐1))



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花の百名山 (文春文庫 (313‐1))

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花をめぐる

 1980年に出た単行本の文庫化。
 著者はシナリオライターとして活躍した人物。
 一方で山歩きに親しみ、中高年の人たちの登山・ハイキング・ブームの火付け役のひとりとなったことでも知られる。
 本書は、日本全国から100箇所の山を選び、そこで見られる花々について紹介したもの。高尾山のフクジュソウからはじまり、八幡平のイソツツジ、白山のミネズオウ、愛宕山のオタカラコウなどが取り上げられている。
 ガイドブックではなく、山の紀行文。山行の思い出、女性登山者としての矜持、花を見つける喜びなどが並べられている。やや淡白で面白味に欠けるようにも思う。
 本書はしかし、たくさんの花泥棒を誘発してしまったことでも有名。もちろん、著者に責任はないのだが・・。
 その反省も込めて、のちに続編『新・花の百名山』(文藝春秋,1995年)が書かれている。
 巻末に花の名から引ける索引が付いているのが便利。

花好きの登山者なら一度は目を通しましょう

 著者である田中澄江の印象が変わりました。戦前の若い頃、一人でふらふらと山に出かけるような活発な女性だったのです。単なる花好きのおばさんではありませんでした(笑)。
 文章や花見の山行はかなり古く、今よりも豊富に花があったようで、花を採るのにも何の罪悪感もないような時代が羨ましくも感じました。
 登山のバイブル的な存在の『日本百名山』に対し、山の花好きはやはり一度は目を通すべき本だと思います。ただし、『日本百名山』のような厳選された百山ではなく、自分の登った山の中から適当に選んだ?花の百山なのでしょう。次の『新・花の百名山』ではまた違う山が紹介されていたりします。



文芸春秋
新・花の百名山 (文春文庫)
孤高の人 (上巻) (新潮文庫)