秘境釣行記 (中公文庫)



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秘境釣行記 (中公文庫)
秘境釣行記 (中公文庫)

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すごすぎる

 1991年に朔風社から出た単行本の文庫化。
 著者は幼少時からずっと北海道の山中で暮らし、働き続けてきたという人物で、関係の著作が幾つかある。本書では、昭和初期?戦中にかけて、静内のあたりで釣りに励んだ思い出が語られている。釣りといっても趣味でやるのではなく、釣った魚を売るための仕事である。家族で山中に入り、ヤマメを釣っては焼き干しにする。魚との駆け引きを楽しむのではなく、数多く釣ることが目的になる。
 それにしても当時の北海道は魚影の濃い土地だったようだ。入れ食い状態であり、一日で百匹以上が釣れることも珍しくない。マスやイワナも無尽蔵である。こんな釣行記は読んだことがない。
 そのほか、満州でのイトウ獲り、ヒグマとの遭遇、飼っていた犬たちの話も。
秘境釣行記 を読んで

北海道の自然がまだまだ残っていたと思われる昭和の始めの釣行記である。おそらく現代の釣り人達にはあまりの釣果に精神衛生上良くないのではないだろうか。道なき源流遡行、熊との出会い。そこには堰堤も護岸工事もないのである。しかし険しい自然との戦いに挑み、そしてその自然を愛するもののみが得られる満足感がこの本の中にはある。



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