精神分析入門 (上巻) (新潮文庫)



精神分析入門 (上巻) (新潮文庫)
精神分析入門 (上巻) (新潮文庫)

商品カテゴリ:人文,思想,学習,考え方
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お薦め

本書は、1915年から17年までウィーン大学で一般向けに行われた講義の内容が記録されたものです。
講義記録が纏められた本だけあって、河合先生の「カウンセリングを語る」シリーズの様に、他のフロイト本よりも比較的平易な文章で綴られていて、
フロイトの書籍の中でも割と読みやすい初学者向きの本だと思います。
あの時代背景において、もっとも禁忌とされていたこと。
でもだからこそ、勇気をもって主張していかなければならなかった。
たとへ、社会から抹殺され孤立しようとも。
大切な友人を失う事となっても。
人々に嘲笑されようとも。
ブロイエルさんなんかも、分かってはいたけれどとてもとても言えなかった。
でも、フロイトはそれをやってのけた(言ったモン勝ちっていうか)。

なので、わたしの率直な感想としては、「フロイトかっけ?」のひと言に尽きます。
あと、あまり”狙っていない”面白さがあって良かった。
読みにくいが最高の参考書

高校の時に心理学に興味をもって買ったのだが、ずっとほこりにまみれてた。
最近、大学院を考えるようになり、始祖の思想を確かめるために読んでみたが、確かにわかりやすく、口述文なので頭に入りやすい。
一方、洋書を日本語訳したものなので文書は一部読みにくい。
フロイトの理論はリビドーを重点においてるとされているが確かに性欲やエロティックな分野での思想が多かったように本書を読んで思えた。
フロイトの意気込み

 フロイトがウィーン大学で行った講義の記録である。当時は精神分析が徐々に
発展し、広まってきたとは言え、まだ風当たりの強かったと推測される。その時
期、一般向けの公の場で精神分析の講義をするということで、フロイトも精神分
析を広めれるという気持ちで張り切っていたのかもしれない。内容を読んでいる
と、そのようなフロイトの張り切り具合が感じられるとともに、精神分析をあま
り知らない一般の人に分かり易く、丁寧に説明していこうという一生懸命さも伺
える。

 上巻の内容としては「錯誤行為」「夢」「神経症」について書かれており、今
まで公にされた「日常生活の精神病理」「夢判断」を中心とした論文をコンパク
トにまとめ、整理し、分かり易く解説している。

 一つだけを取り上げると、錯誤行為の中の物忘れというものがあるが、これは
重要なものであるからこそ忘れてしまうとフロイトは主張している。これと関連
するのは、実際の臨床の中における患者さんの無断キャンセルについてである。
その理由は様々だが、よく患者さんが理由として挙げることは「忘れてました」
というものである。

 セッションを忘れていたということは錯誤行為に当たるし、フロイトの主張に
従えば、それには意味があるということになるだろう。そして、ここで重要なこ
とはその意味を考える作業であり、無断キャンセルをしたことを責めて、もうし
ないようにさせることが重要なのではない。

 さらに、無断キャンセルをしたことやそれを忘れたことについて、「なぜ無断
キャンセルをしたのですか?」「なぜ忘れたのですか?」と理由を問うてもあま
り意味がない。それよりも、「無断キャンセルをしたことについてどう思います
か?/感じますか?」や「忘れてしまったことについて何か思いつくことはあり
ますか?」といったように、それ自体にまつわる空想や連想を聞いていくことが
治療をしていく上ではとても重要となってくるのである。
「人間フロイト」入門

本書はフロイト晩年の著作であります。各論的な学説的展開の中にもフロイト自身の人生観や学問研究についての大局的な信念、人間性の本質についての深い洞察がちりばめられており、「精神分析入門」というより「人間フロイト入門」として読むことができます。精神分析のエッセンスでもある第3部の神経症総論から読みはじめる方も多いと思われますが、あらためて読み返すと第1・2部の錯誤行為や夢もテンポ良く簡潔にまとめられており、すでに大作「夢判断」を読んだ方にとっても、漫然とした理解がスッキリ整理されるという点で一読する価値は十分にあるかと思います。
無意識という宿命

上下巻合わせて35講からなる講義形式で本書は書かれおり、下巻途中までの28講までが「精神分析入門」、そして29巻以降からは「続・精神分析入門」となる。先の入門書が書かれてから15年を経て書かれた「続・精神分析入門」の方は実際に講義したものを書き表したものではない。癌に侵されながら強靭な精神力で書き上げた血と汗の結晶物なのである。あえて講義形式にこだわったフロイトの他者への意識は、精神分析医として患者と接する中で培われた背景を物語る。このような他者の存在を強く意識して書かれたモノローグを文学的視点で捉えてみるのも一興だろう。

フロイトと言えばリビドーである。しかし本書でそれが本格的に論ぜられるのは200ページ以降である。それまでは錯誤行為や夢の話が展開する。それらは「無意識」という点で神経症が起きるメカニズムと密接に関わっている。それ故にまず我々の身近な無意識行為の実態を把握し、それから神経症へその考え方を応用する運びとなっている。

リビドーを抑えつけるエネルギーの激しさを見ればこんなにもは我々は性的欲動を抱いているのかと驚嘆させられてしまう。しかもそれは成人になって始まったことではなく、その萌芽が幼児や生まれて間もない赤ん坊に由来するというからさらに驚く。その論理は大きく逸脱しているわけではなく、また、心の無意識的側面についての話であるからそれが間違いであると断言することはできない。むしろその一貫した話にたいへん納得してしまうことの方が多かった。

本書は我々の心や精神を考える際にやはり避けては通れないものと言えよう。




新潮社
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