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朝鮮からみた華夷思想 (世界史リブレット)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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周辺にとっての中華思想の現実的意味合いを解説
中国では、政治的主権者たる皇帝は徳の高さの故に天命を授かり、地球上の全てを文明で化育する任務を担うものとされます。そして、この天子の化育に遵って文明の花咲く地が「華」であり、文明化が及んでいない地が「夷」です。文明的・道義的に華が夷に優越するのは当然で、華の中心たる「天朝」は、化育の度合いに応じて四夷たる周辺諸民族との付き合い方を規定していくこととなります。 本書は、朝鮮史を概観しつつ、中国のこうした思想が、中朝関係史に何なる影響を与え、また、朝鮮の社会や文化にどのような足跡を遺してきたかを説明するものです。地政学的な要因と国際関係における力関係とを背景に、中華文明への憧憬と民族的自尊が葛藤を生じる中、華夷思想は朝鮮自身のアイデンティティー形成にも極めて大きなが意味合いを持つに至ります。本書ではそうした様子が簡潔に描き出されています。 華夷思想は、文明的契機によるものとは言え、中国と周辺諸民族との国際関係を階層的に規定しようとするものであり、ある意味で典型的な民族ショービニズムと言えましょう。しかしながら、朝鮮などにおける「小中華」のアイデンティティーは、華夷の別に基づく天下観念が単純な「支配と服従」の論理を超えたものであり、東アジア世界における「帝国」的統合を支える理念としての側面をもっていたことを示唆しているようにも思えます。 一般向けの簡潔かつ平易な小冊子ですが、こうした中華帝国の「あり方」論など、いろいろと考えさせられるものがありました。
山川出版社
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