島抜け (新潮文庫)



島抜け (新潮文庫)
島抜け (新潮文庫)

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ドキドキでした

 流人を引き取った種子島の庄屋は温情を以って接したのに、瑞龍は島抜けという裏切りを、その場の思いつきでしてしまいました。丸木舟で漂流中に何度も死を覚悟して、唐土へ上陸する時原住民に殺されるんじゃないかと思った一瞬の恐怖、清国役人に偽名を使ってまでして送り届けてもらった日本の、長崎に上陸するときの役人に対する怯え、長崎奉行所が瑞龍たちの偽りの生国に身元照会することを知った時の驚愕、破獄して逃亡中の緊張、読んでいて何だか夢に出てきそうな感じがしました。
 瑞龍の遠島刑はそもそも「大坂の陣」を豊臣方に良い目に講釈したことが問題にされた、今なら全く問題にならない罪でした。読みながら、「何とか生き延びてくれ」、「ご赦免にならないか」等と、ついつい瑞龍の肩を持ってしまいました。結果的に死罪は残念に思いましたし、「あと10年くらい逃亡すれば明治維新だったのに、」と余計な思いまでしてしまいました。
 
 



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